今回はバーソロミュー・くまに搭載された"自爆スイッチ"について。過去編で明らかになったサイボーグくまのギミック。果たしてこれが吉と出るか凶と出るか?
エッグヘッド編までは無能と馬鹿にされてきた五老星達ですが、何故かエッグヘッド編では過去回想含めて憎らしいまでにくまを苦しめています。
読者が期待するのはやはり胸がスッキリする様な展開。
サターン聖の裏目を笑える様な逆転劇が見たいところ。
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世界会議に乗じて革命軍がくまの身柄を奪還。この後すぐにサターン聖によって自爆スイッチは押されていた。
しかし爆発はせず。ベカパンク曰く理由は『愛』
カマバッカ王国→赤い土の大陸と経てエッグヘッドへと降り立った。
サターン聖とくまの因縁
幼少期、ゴッドバレーでの初遭遇から2人の因縁は始まった。厳密に言えば生まれた時から始まっていたのかもしれない。
お前には奴隷になる事と死ぬ事しか許されていない
それは歴史が決めたのだ
バッカニア族という理由だけで執拗に忌み嫌われた少年はサターン聖が危惧するのも納得。やがて革命軍として世界政府に牙を剥き、政府に非協力な国王として君臨した。
ここまではサターン聖の手を逃れていましたが、ボニーの治療の道中で状況が一変。
くまとベカパンクの話し合いの最中にサターン聖が割って入り非人道的な契約を押し付けた。
・複製人間クローン作成のサンプルとなる事
・改造手術を受けて自身がサイボーグとなる事
・最終的には思考と自我を捨てる事
・改造手術中はボニーが人質となる事
相手が海賊とはいえ度を超えた悪質な手段。非常に巧妙な契約で奴隷と死ぬ事を同時に再現する様なものでした。
完全に自我を失えど命令には忠実な生奴隷。
当然ながら人としての尊厳はありえない。
一体過去にどれほどの屈辱をバッカニア族が天竜人へ与えたのかと疑いたくなるレベルでした。
何に変えても救いたい娘の命。悲しむ事なくくまはこの全てを快諾した。
自爆スイッチ
念には念を。サターン聖がくまを完全コントロールしようと盛り込んだのが『自爆スイッチ』
本来、自我の無いくまが自らこれを起動する事はないがサイボーグとなったくまをコントロールするのが『威権順位』という要素
威権順位 | |
1 | 五老星 |
2 | ベカパンク |
3 | 戦桃丸 |
4 | 威権チップ |
パシフィスタ及び完全サイボーグとなったくまは基本的に命令によってコントロールされる。
命令には優先順位がありサターン聖(五老星)がその頂点となっています。
エッグヘッド編ではこの順位を使ってパシフィスタの争奪戦が展開されましたが最終的に掻っ攫ったのはサターン聖。順位とはいえそもそもは全員が政府側の人間なのでこの様な騒動には発展しない。ベカパンクが禁忌を侵したことで大事件へと繋がった。
味方から出し抜かれる事を想定して順位をつけた辺りは用意周到ですがサターン聖の不安を払拭するにはこれでも足りなかった様です。
命令圏内にいない時奴が暴走したら誰がどう止める
おそらくはくまだけでなくセラフィム含む全パシフィスタへと『自爆スイッチ』が搭載されているはず。
万が一暴走した場合に爆破してしまうというものだ。
くま本体に限って言えばオリジナルのニキュニキュの実の能力が使える。暴走すれば広範囲に渡って飛ばれてしまいコントロール困難にもなりかねません。
実際に革命軍に奪還されカマバッカ王国へと戻ったくまはマリージョアへと飛び暴走。サカズキと交戦後に再び姿を消している。
現代ではまさにここまでサターン聖が想定した事態となっています。
スクラップ寸前ではあるものの脅威である事に変わりはありません。ましてや天竜人に危害を加える可能性も。
まだ希望があるかにも見えるくまですが実際にサターン聖がその気になればいつでも爆破できてしまうと考えると恐ろしい。
いくらタフネスを誇るくまとはいえ内部からの爆発は即死でしょう。
いつそのスイッチが押されてもおかしくない段階に来ています。
引っ掛かるのは【自爆】という表現。命令という形でサターン聖主体で起動するならば【爆破】の方がしっくりくるでしょう。
敢えて自爆としているのはサターン聖が思わぬ形で爆発してしまう事を示唆しているのではないでしょうか?
あちこちに飛び交う事が出来て、頑丈なくまを吹き飛ばす規模の爆発が出来るとなれば機動力のある兵器の様なもの。
これが世界政府に一泡吹かせる一手となり得るでしょうか?
やはり単なる爆破ってよりは誰かを巻き込んでの一撃となりそう。どちらにせよくまがこのまま絶命する可能性は高まってしまいました。
サターンは再生できるから死なないけどその隙に脱出成功する?
ルフィボロボロだし能力の詳細もわからないからこの章では倒さず基本逃亡線になる気がするな
でも逃げるだけだと世界に思わぬ衝撃は与えないか
そうなるとあのロボの出番が浮きそうだけど。
天才の手心
希少種族であるくまの身体に科学者として興味を示しながらもあくまでそれは探究心。
今回の改造手術においてベカパンクは一貫してサターン聖に反発していた。
自爆スイッチを!?
どこまでくまを恐れているんじゃ!!
(自爆スイッチ)それをつける代わりに少しだけ自我を残させてくれ!!
二重人格の様に意識を切り替える脳の経路を発明した!!
これを試させてくれれば‥
本来ならば天竜人の最高位とも言えるサターン聖に対して一人間の科学者が意見するなどもってのほか。
即断罪されてもおかしくない行為です。
それでも口で叱咤する程度に収まっているのはベカパンクが非常に使える人間だから。
空白の100年に触れた事で抹殺を余儀なくされたが世界一役に立つ男という触れ込みは紛れもなく本当。
そんなベカパンクだからこそくまを助ける一手を用意しているのではと期待してしまう。
自我を残すことは許さん
私も科学者
ウソはつけんぞ
当然ながらサターン聖はベカパンクが変な気を起こさぬ様に釘を刺している。反発的な態度を見てもベカパンクが何か仕組む可能性は警戒。
そこまで恐れているという事は自我が少しだけ残っていれば世界政府に危害を加えるという可能性に他ならない。
サターンにも科学者としての自負がある様ですがベカパンクはもちろんその上。同業を欺く様な技術も再現可能なのではないでしょうか?
この時点で意識の切り替えなんて技術を発明しているわけですからくまの自我を失った様に装う事も出来そうな気がします。
この発明の出番は来るのだろうか?
でもくま本人には使ってないはずよね
サターン聖も科学者だからバレる
科学者だからすぐに分かるぞとか言われてるしサターン出し抜いてベガパンクが科学力では一番だというところ見せて欲しい
島全体をバブルで包む仕掛けがあるとか
やるとしたら五老星の回想みたいのやって全員の人となりに触れるとかになりそう
くまとベガパンクで魂うんぬんのやり取りがあったから
科学でも自我は完全に取り切れないって展開になると思う
改造手術とサターン聖の追加条件
本来、秘密裏にベガパンクとくまで進めていた交渉では
ベガパンクがボニーの青玉鱗を治療する事と治療費の一切を問わない事
くまが血液や人体データの協力と自身のクローン作成許可
という条件でまとまっていた。しかしながらこれを盗聴し悪企みしたのがサターン聖。
強力なクローンとはいえただの凶悪な海賊のものとなれば海軍が保有するのもどこかおかしい。ならばくまを七武海としてこき使えば良いという考えだ。曲者揃いの七武海メンバーは有事にも政府の思い通りには動かない。頂上戦争でこそなんとか集まっていたが政府としても使いづらい事この上ない。
弱みを握り、意のままに動き、尚且つ実力も兼ね備えており他の海賊への牽制にもなる。くまが適任というのも納得。
そして幼少期より見せているバッカニアの資質や反乱の意思。これらを削ぐ為に完全サイボーグ化を強要した。
①
1つ目はバーソロミュー・くまお前が海賊として王下七武海に加盟する事だ
海賊の世界が荒れ始めている‥お前が七武海なら申し分ない
②
2つ目の条件は‥くま
お前自身が海軍の人間兵器になる事
七武海としてもその特性は大いに海賊達の恐怖となる
③
くまには革命軍という前科もある
その力を政府に向けられては困るわけだ
従って3つ目の条件は
最終的に一切の思考と自我を捨てて貰う
事実上の死刑宣告、形は違えど殺人の様なものである。ボニーが怒りを向けるも無理はない。【お前が父を‥】はなんら間違っていなかった。
バッカニア族は奴隷か死しか許されない。少し前にサターン聖が放っていたセリフですがサイボーグ化、人間兵器はそのどちらをも満たす鬼畜ぶり。
思い通りにコキ使いながら人格をも抜き取り事実上の死を与える。
人一倍優しく、力の強いくまに与える屈辱だからこそ一層その悲惨さが際立っています。
やはりここまで虐げられているのは【バッカニア族の血】に他ならない。大昔の大罪をここまで引きずり、五老星としてはこれだけやり返しても足りないぐらいなのだろう。
治療期間と改造期間
父くま、娘ボニーともに天才科学者の施術を受ける事になるという不思議な運命
ボニーの治療期間 | 手術に半年、安静1年 |
くまの改造手術 | 最低2年 |
意外?と言って良いのかわからないがくまの方が要する期間は長い。青玉鱗の治療手術が半年で完了するのに対してくまが完全にサイボーグになるのは2年間を要する。
ボニーの手術完了後(半年後)はくまからしたら用無し。その後は安静にしていればボニーは助かる。
一方で改造手術も4分の1程度の中途半端な状態。少しパワーアップし自我も奪われる事ないまま。ここで逃げられてしまっては世界政府としては大きな損失。
言わばくまを逃がさない抑止力として世界政府はボニーを人質にした。これまでにも胸糞ストーリー満載でしたので今更これぐらいでは驚かない‥逃がさない為には当然ぐらいに思えてしまうから不思議
サターン聖
お前の娘は人質の様なもの
元気になってしまえばお前は我々の言うことを聞く必要がなくなる
念の為だ
手術後の娘の身柄は世界政府が預かる
お前が自我を失った時に本当の自由を与えよう
改造手術後の自我を失った後の娘との再会は意味をなさない。むしろ娘にショックを与えるだけ。サターン聖が語る【本当の自由】は皮肉でしかない。実質娘に愛情を注げるのはあと半年となった。
サターン聖
くまにはこの先『改造手術』を受けながら
七武海の海賊として海に君臨して貰うが
術後より娘との接触・逃走を禁じる
もしこれを破ったら娘は奴隷に落とすぞ
ボニーの手術(6か月)完了後は接触禁止。くまが自我を保っている間には会うことができない。改めてみると本当に酷な話である。
実際に父と娘の別れになったのは故郷ソルベ王国
くま
私はもう海賊だからこの国に迷惑がかかるおそらく一年以上は帰れないと思う
手紙をたくさん書くよ
今度会う時は海の上で一緒に水平線を見よう
ありがとうボニー生まれてきてくれて
ボニーをコニー王太后達に任せたくま。今度会う時は病気を克服した時。旅行にもいっぱい行きたいと嬉しそうなボニーはこれが最後の別れになるとは微塵も感じていない。
この後‥自我を持ったくまと病気を克服したボニーが会う事は出来なかった。ようやく日の目を浴びる事ができる娘をいろんなところへ連れていってやりたかった。涙を見せる事なく最大限に優しい笑顔で別れをやり切るくまの表情が切ない。